
【読書感想文】1月読んだ本から、印象深かったものの感想
全体公開

6
・ハサミ男/著者:殊能 将之
(リスナーのはかなぎ様よりオススメされたもの、ありがとう!)
素晴らしき古典ミステリ、典型的なフーダニット、叙述トリック……大好物。作者様、亡くなられているのが本当悲しい。
思い込みを利用した叙述トリック、ミスリードが上手すぎてまんまと騙された。
最後の種明かしを見た後に思い返せば、正体に迫る重要な事を一度も明言していない事に気付くのに、
読んでいる最中は全く気にならない完成度の高い作品だなと思いました!
謎が解けた後に、「そういえば、思い返してみたらこうだった」と頭の中で空白がどんどん埋まっていく感じは、快感。
他の作品も読みたいな、の気持ち。
・死にたがりの君に贈る物語/著者:綾崎 隼
青春ミステリとなっているけれど、ミステリ要素は弱めで、ミステリというよりは、「祈りの物語」という感じ。
物語がなければ生きられない人達、それに縋る人の話。
とある人物に対して、好き嫌いがはっきりと別れそうだし不快に思う人もいると思うので、人を選ぶ話かも……。
最後のあとがき、タイトル回収は見事、きれいに締めてあるなぁという感じです。
「君」とは、作中の登場人物を指しつつも、生き辛さを抱えている誰かにも向けられているのかもな、と思いました。
ささる人にはささるし、キレイに仕立て上げられていると思うんだけど、気持ちが元気じゃない人にはオススメできないかな……。
・花束は毒/著者:織守(オリガミ)きょうや
「100%騙される戦慄ミステリー」の謳い文句に惹かれて購入。
途中でオチには気付いてしまったので、気付く人は気付くと思います。
でも戦慄ミステリーというジャンル(?)には齟齬がなく、ニンゲンコワイ、でした。イヤミス系かな?
ラストも結局どうするのか、その後どうなっていくのかを語らず、想像の余地を残してあるので、
物語の雰囲気が壊れず良かったなと感じました。
とても文章も読みやすかったし、印刷されている章番号にもちょっとした仕掛けがあるし、
装丁が素敵だし、帯に使用されている紙の質が最高だし、好き。
昔よく利用していた紙の専門店に行きたくなりました、本の内容とは関係ないけど。
他にも読んだ作品はあるけれど、感想を伝えたいなっていう作品は上記3つでした!
2月読んだ本についてもまた月末に紹介していけたらいいなと思います!
追伸:今日は3年程愛用しているレザー製品のお手入れをしたんだけど、色味の変化や使い込んだ感が出てきているのが見えてご機嫌です。