映像制作とわたし①【告知PV制作事例から】
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私が映像制作を手掛けた告知PV(CM)が公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=ybfvelcUgb0
これは11月6日に開催される3D音楽ライブ「ファントムセンス Night of Awakening」の告知PVです。
この映像について少しだけ書きたいと思います。前半は音声パートから。
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私はもともと映像制作には興味があって,CMや各種PVはよく見ていたし,インディーズの映像制作イベント「RENDA」「AEオフ」「FRENZ」はチェックしていたし,動画サイトに上がっているMAD動画はしょっちゅう漁っていた。これら目を瞠るような動画を創る「動画師」や「映像クリエイター」に敬意の念を抱いていた。
世はVTuber時代になり,時勢もあって私もVirtual世界に飛び込んだ。配信中心の「ライバー」が多かったが,私は動画中心の制作生活を送った。単純に動画制作がしたかったし,映像に育てられた自分にもってこいの居場所だと感じた。最盛期は週1本のペースで動画制作していたが,いまは月1~2本程度の投稿頻度に落ち着いた。
音楽活動をするようになって,ミュージックビデオの重要性を認識した。せっかく3Dの身体があるのだから,3D空間で動き回る映像が撮りたいと思った。UnityやVRChat,あるいはアバターに仕込めるカメラなどを用いて色んな角度から撮影し,カッティングし,投稿しはじめた。
それらを作っている時間は,とても楽しい時間だと感じた。
バーチャル美少女ねむちゃんから制作のオファーをもらったとき,「よしやったろう!」と思った。最初に参考にしたのは映画の告知PV。展開としてはイントロで前提設定の説明,中盤で物語展開のきっかけが現れ,BGMがブレイク。主題歌サビが流れキャラクター紹介や激しいカッティングで物語のハイライトを示し,最後にタイトルが出て終了。今回のPVはそれのテンプレートに沿った。
主題歌はもちろん「ファントムセンス」。ただ単に流すだけでは面白くないので,2小節ごとに出演者のボーカルをハイライトさせた。映像側のキャラクター(出演者)紹介とも重ねられるし。サビは8+8+2小節なので分割はスムーズだった。シンコペーション部分は前後出演者の声をクロスフェードさせて対応した。
ボーカルは各出演者の歌からボーカルを抽出し,オケ音源と重ねることで自然にMIXできるようにした。さすが上位入賞者,最初のタイミングを合わせるだけで歌の全部分が全員ばちこりハマった。おかげでMIXするのがすごく楽だった。
サビの終わりは深めのリバーブをかけてあとにひくような感じを演出した。私の歌った「ファントムセンス」でも取り入れた手法だ。これが映像の終盤にいい演出をかけてくれると考えた。
サビはサビ直前のドラムフィルインから入ることで適度な緊張感を演出してくれると感じ,あえてそこからスタートさせることにした。のちに映像でもこの部分はそれに合わせたカッティングをおこなうこととなる。
以上のような演出を含ませつつ,最終的なMixをおこなった。各トラックにEQやサチュやコンプをかませて音量レベルを合わせる程度の軽いものだ。もともとの各出演者のMixレベルも高かったので,作業はだいぶ楽であった。このようにして,PVの音声が完成した。
ちなみに,PV前半部分は,私がストックしていたフリー素材のBGMから,不思議な雰囲気や緊張感のあるものを選曲し,カット編集とリバーブをかけたものだ。これらを組み合わせて,だいたい1分弱の音声素材になるように最終的に編集し,そして映像編集へとバトンリレーしていくこととなる。
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(前半 終 / 後半へ続く)